今回は、当院の『岩盤浴(足湯)』と『ホットパック』について、書きたいと思います。
脳卒中を発症した方々は、”脳からの指令”が、麻痺している手足に届き難くなります。
麻痺した手足は血流が悪くなり、浮腫み、冷たく痺れ、中には夏でも霜焼けを起こしてしまう方がいらっしゃるほどです。また、片麻痺の方で、夏でも麻痺側に手袋をされている方がいらっしゃるのは、血流が悪く、霜焼けを起こして可能性があるからです。
そのような患者様に対して、当院では『ホットパック』で身体を温める温熱療法を取り入れています。
患部や深部組織へ温熱を与え、血行の改善、筋肉や関節の柔軟性向上などを目的に行なうもので、血行が改善することで患部に栄養が供給されて回復力が高まりますし、筋肉や関節が柔らかくなることで動きやすくなる効果もあります。
この『ホットパック』の導入にあたっては、「何が患者様に良いモノなのか」色々と考えました。
「単なる湯煎のホットパックでは、皮膚の表面温度は上がるけど、身体の深部までは熱が伝わりにくい。」
「一時的に気持ちの良いモノでも、芯から温まらなければ意味が無いし…求める答えはそこでは無い。」
「従来から整形外科や整骨院の片隅に置いてある遠赤外線装置は、理には叶っているけど、面白みが無くてありきたりで、ワクワクしない。」
『ホットパック』1つを導入するにあたり、本当に色々と悩みました。笑
私が求めていたのは、2つ。
1つ目が、「身体の深部、身体の芯、まで熱を伝えること」。
2つ目が、「患者様や利用者様にリハビリテーションに行っていただく際のワクワク感」。
まず1つ目の、「身体の深部、身体の芯、まで熱を伝えること」。
体の表面温度を上げるだけでは、私の求める「身体の深部への血流改善」に繋がり難い状況があります。
患部や深部組織へ温熱を与えることで、患部に血流が供給され、血の巡りが良くなることで、血色が良くなり、筋肉や関節や軟部組織が柔らかくなることで動きやすくなる効果があります。
次に2つ目の、「患者様にリハビリテーションに行っていただく際のワクワク感」。
このワクワク感を取り入れたいと考えていた中、「岩盤浴を導入するのはどうだろう?」と閃きました。
閃いたからには、早速、日本全国の岩盤浴製造販売メーカーのホームページを色々と検索し、色々な商品を見て回りました。その中で、遠赤外線放射率の高い『北投石(ほくとうせき)』という鉱石の恩恵を再現させた秋田県の玉川温泉の湯ノ花セラミックを使用した靴下のままで入ることができる『足湯』の岩盤浴と巡り合いました。
健康や美容面で最強の効果を発揮する『北投石』は、全世界の中で、台湾の北投温泉と秋田県の玉川温泉でのみ採掘される超希少なパワーストーンだそうです。
湯治で有名な温泉地からその効果を受け継ぐ『薬石』として重宝されているらしく、昭和27年に国の特別天然記念物に指定され、現在は採掘禁止になっているものだそうです。
この岩盤浴には本当に驚かされました。
展示会場で体験した後、わずか5分でこの岩盤浴の導入を決めてしまいました。笑
当院の開院時、実家の九州から、両親が当院へ足を運んでくれました。
その時、高齢の父が何よりも喜んでくれたのがこの岩盤浴の足湯でした。
父は、脳出血の後遺症から、腰と膝が悪く…、いつも足が冷たく痺れた感じがする、と言っていましたが、その父が、『これは良かね!』と大絶賛してくれるので、親孝行にと同じメーカーの小さな足湯をプレゼントしました。母からは『お父さんは朝に昼に晩にずっと喜んで使っとうよ♪』と嬉しい報告を受けたことを思い出します。笑
また、極寒のに日には、訪問リハや訪問看護先から戻って来たスタッフが、まるで湯船にでも浸かっているかのように、岩盤浴の足湯に入って足を温めています。勿論、患者様がお使いになられていないタイミングでの話ですのでご安心ください。
スタッフからも高評価の岩盤浴なのです。笑
足は岩盤浴に決まりましたが…、首・肩・腰・手にも深部温度を上げるモノは無いか、必死に探しました。
色々と検討している中で、コチラについても、良いモノに巡り合いました。
湯煎せずに使える、ドライなホットパックです。
この商品、トルマリンやゲルマニウム、ゼオライト等、5種類の鉱石と磁気セラミックの融合により遠赤外線放射率の高い乾式ホットパックでした。
このホットパックにも、本当に驚きました。
医療安全上、湯煎式のホットパックでは、床が濡れて滑りやすくなるので、それだけは避けたかったので、「北投石の足湯」と「ドライなホットパック」との出会いは本当に嬉しいものでした。
お陰様で多くの利用者様からは非常に好評いただいており、深々と冷え込む冬の朝は、足湯とホットパックを楽しみに来院なされる方が大勢いらっしゃいます。
身体を芯から温め、血行不良に対する身体ケアが、ようやく実現しました。
私が当院を開業するにあたり、「患者様や利用者様にご提供できるコトやモノは何なのか」を、様々な角度から検討いたしましたが、結果として採用した「モノ」は、クリニックとしてはユニークな選択になったと自負しております。
以上、今回は、「岩盤浴」と「ホットパック」のお話でした。
次回の更新を、是非お楽しみにお待ちください。
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